今年もこの季節が到来。京都はこの祇園祭から夏が始まる。ようやく今年は制限なく開催されるとのことで連休も相まって多くの見物客が押し寄せた。 かく話す自身は京都で生まれ育っていながら山鉾巡行を実際に見物したことはなく、今回が人生初めての実地見聞となった。
この時期は基本梅雨であることが多く、巡行日は雨模様というのもしばしばあったが、今年はまだ梅雨明けは宣言されていないものの夏空の下実施された。
巡行がスタートするのは午前9時。巡行は四条通りを東へ進み、河原町通りで左に舵を切り北上するがそこで第1の見せ場となる”辻回し”がある。その後、御池通り交差点で2度目の辻回しで左に舵を切り、西へ向けて進む。今回はその河原町御池交差点で待機。まだ9時前だが多くの見物人が集まっている。
10:30を過ぎたころ、ようやく先頭の鉾である長刀鉾の行列がやってきた。
ゆっくりと前を通り過ぎ、河原町御池の交差点に差し掛かり、辻回しの準備が開始される。
巨大な鉾には操舵装置はついていない為、直進以外はできない。そこで無理やりに先頭の向きを引っ張って方向転換するが、そのために地面に滑りやすい竹を敷き、水を撒きながら徐々に向きを変えていく。
一連の動きは実際に見たことはないものの、幼い頃から父親に聞かされて何となく頭に入っていた。またテレビでもよく放映されていたので特段珍しさは感じないが、方向転換が完了して再度進行する際に沿道から拍手が湧き上がる光景は何ともいいものであった。
一番鉾である長刀鉾の勇姿を見た後は場所を変えて河原町通を南下。後続の山鉾を追った。
コロナ禍によりこの数年間、祭りは開催されても限定的なものであったり京都の夏の風物詩としては寂しい限りだったが、ようやく元に戻ったのは感慨深い。
今回巡行した山鉾が何騎あったのか調べてないが、この巡行の順番には基本はくじで決められる。ただし先頭の長刀鉾と最終の船鉾は固定されている。特にこの船鉾は独特の雰囲気もあり小さい頃から一番好きな鉾だった。今回動いているのを初めて見れたのは本当に良かった。
祇園祭が終わり8月の大文字山(五山の送り火)までの間”京都の夏”はつづく。