昨年、ほぼ30年ぶりに軽自動車ながらホンダ車を購入した。軽自動車についてはこれまで所有経験がなく初めて。 現役時代に社用車がホンダ車だったので30年ぶりと言っても感覚的に違和感を感じてないが、自分としては4台目のホンダになる。
初めて2代目CITYを新車購入したのは会社に入ってまもない頃、昭和の終わりで時代はバブル経済真っ只中。 安い給料でなんとかローンを組んで当時2度目のF1参戦していた ”HONDA”に憧れての購入だった。 初代CITYはトールボーイの愛称で背の高い車だったが、途中からF1で話題になっていたターボエンジンを積むようになり、CITYターボⅡという強烈なモデルが人気だったが、2代目は一転してロー&ワイドを強調。NAエンジンながら、当時としては珍しい、SOHCで4バルブという燃費とパワーを併せ持ったモデルに変わっていた。このモデルがその後、現在のFITに進化していくことになる。
時代がバブル期とあって、当時車もいわゆるスペシャリティを追求するものが多く出回り、若年層の憧れとなっていた。今の若年層の考えとは真逆だった時代だが、自動車が売れたある意味いい時代だったと思う。 ホンダはその少し前から北米への進出を活発化して現地で人気の高い車を販売しており、その中でも2シーター、スポーツモデルとしてプレリュードというモデルを販売していた。 その2代目が出た頃、TVのCMでそのカッコ良さも相まって、日本でも人気を博していたが、3代目に進化してよりスペシャリティカーに磨きがかかる。
電子制御噴射システム付きDOHC、4バルブエンジンに世界初となる機械式の4輪操舵機構を採用するこのモデルがどうしても欲しくて、新車で買って1年足らずのCITYを下取りして購入してしまった。結婚前だったとはいえ、標準でサンルーフが付く仕様でなんともナンパな車だったことを覚えているが、F1技術を取り入れたDOHCので走りはやっぱり本物だった記憶がある。 他方、4輪操舵の方には少々クセがあり、実用性は今一つだった。
その頃、ホンダはVTECという可変バルブ機構を搭載したエンジンをリリース。シビックやインテグラなどスポーツ志向の車の人気が絶好調になっていた。 その一方でラグジュアリーカーとして4ドアハードトップのアコードインスパイアという新車種が登場。当時としてもかなり珍しい、直列5気筒エンジンを縦置きにしてFFミッドシップというキャッチフレーズで世に出した。F1でターボが禁止になり、代わりにNAでV10エンジンを投入していたホンダがその片方を市販車に応用した感じだった。この車は当初2000ccのみだったが、ワイド化し排気量も2500ccとしてグローバル仕様にして格上げしてきた。 上の写真のボディカラーがなんともカッコ良く、やっぱり我慢できずに乗り換えた次第。
この車を最後に30年以上、ホンダ車を所有することから離れてようやく戻ってきた感じだが、最近ホンダはCIVIC TYPE-Rの追加販売やPreludeをe:HEVで復活させるなど、“電動”ではない車で色々と話題を提供してくれるのでちょっと楽しみ。